泰山木(学名:Magnolia grandiflora)は、その美しさと堂々たる姿から、庭園や公園で多くの人々を魅了しています。
モクレン科モクレン属に属するこの常緑高木は、別名ハクレンボクとも呼ばれ、高さ20メートルにもなる壮大な樹木です。
泰山木の最大の魅力は、なんといってもその大きな純白の花です。
直径50cmにもなる花びらは、濃い緑色の葉とのコントラストが非常に美しく、まるで自然が描いた一幅の絵画のようです。
葉は光沢があり、表面は濃緑色、裏側は山緑色で、見る角度によって異なる表情を見せてくれます。
泰山木の花は高い位置に咲くため、その美しさを間近で楽しむには少し工夫が必要です。
私は脚立を使って撮影しましたが、普段は下から見上げる形になるため、全体を鑑賞するのは難しいかもしれません。
それでも、遠目からでもその大きさと純白の美しさは十分に伝わってきます。
泰山木の花の見頃は6~7月頃です。
朝に大きく開いた花が、昼にはつぼんでしまうのは、日中の強い日差しから雄しべを守るためと考えられています。
そのため、朝早くに訪れると、一番美しい姿を楽しむことができます。
しかし、その花の命は短く、咲いてから数日で茶色くくすみ、花びらは落ちてしまいます。
昨年7月に撮影した写真では、鮮やかな白さが際立つ雄しべが落ちた花が印象的でした。
泰山木には「ヒメタイサンボク」という種類も存在します。
こちらは、花がクリーム色で甘いバニラのような香りが特徴です。
名前に「ヒメ」が付いているとおり、泰山木よりも花や樹高が小さいため、コンパクトな庭にも適しています。
泰山木の魅力はその見事な花と葉のコントラスト、そして短い命の中で見せる儚い美しさにあります。
これからの季節、ぜひその純白の花を楽しんでみてください。